もうここまで来た!~医療分野でのAI活用~

もうここまで来た!~医療分野でのAI活用~

 

ITを導入する時代からITを活用する時代へ

 

様々な業界で行われているIT化ですが、医療も例外ではなく、積極的に医療のIT化が進められており、従来の枠組みを超えたITの効果を享受しようとしています。
今までは、『ITを導入すること』が目的だった時代から、どんなことに用いることができるか、どんな効果が得られるか、という『ITを活用すること』に移り変わっています。

 

 

人工知能(AI)の基本をおさえよう

 

人工知能(Artificial Intelligence = AI)とは、何かしらの「知性」を感じさせるような振る舞いをする技術のことです。AIは、第一次ブーム(1950〜60年代)、第二次ブーム(1980年代〜90年代半ば)を経て、現在は第三次AIブームを迎えているといわれています。以前までのブームと比べて、出来ることが大幅に増えただけでなく、AIを取り入れたサービスも次々と登場し、世間に広く知れ渡るようになりました。

 

AIがここまで進化を果たしたのには、「ディープラーニング(深層学習)」という技術が背景にあります。従来のAIは、プログラマーが全て設計して指示を出したものを機械的に処理しているものでした。これに対してディープラーニングは、人間の脳神経回路を模した情報処理の手法(ニューラルネットワーク)を用いて、コンピューター自らがルールを見つけて学習できるようにしたのです。

 

 

医療現場でAI活用はここまで進んでいる!

 

 

・画像による診断

 

医療現場でのAI活用の中でも研究開発が進んでいるのが画像による診断です。
ディープラーニングを用いてレントゲンやCTスキャンなどの画像から、がんを検出することができます。例えば、肺がん検出率においては、放射線診断医による診断を5割上回るといわれています。

 

 

・遺伝子の解析

 

米国のIBMの「Watson(ワトソン)」を活用したがんの遺伝子解析の研究を行っているのが、東京大学医科学研究所です。Watsonを用いて治療に難航していた急性骨髄性白血病の患者の遺伝子情報を解析したところ、急性骨髄性白血病とは別の特殊な白血病の可能性が指摘されました。医師はWatsonを用いた解析結果をもとに治療方針を変更し、その患者は快方に向かうことができました。

 

Watsonが特に優れているのは、患者に関する情報を入力すると、AIが学習した膨大な量の医学論文の中から、症例に当てはまる文献をすぐに探すことができる点です。1日で数千件もの新しい医療論文が発表されていますが、それを1人の医師が把握できる量には限界があります。ですが、Watsonは膨大な量の医療論文を自分なりに解釈し、関連付けをしながらデータベースに保管しています。データベースから適切な論文を医師に示すことによって、負担は大きく軽減されます。患者側も、適切な治療を早く始められるというメリットを享受できるでしょう。

 

 

・総合診療の支援

 

自治医科大学が開発している「ホワイト・ジャック」が、AIによる総合診療支援を目指しています。ホワイト・ジャックは、医師の診療を効率化すると同時に、病気の見逃しを防ぐための機能が搭載されています。患者がタブレットなどの端末で予診項目を入力、入力した情報をデータセンターに送られ、AIは疑いのある疾患を探り出します。電子カルテに結果が表示され、その電子カルテに医師が追加検査項目や所見を入力と再解析されます。再解析を行うことで、診断名はより絞り込まれたものとなり、医師の最終判断のサポートを担います。

 

「ホワイト・ジャック」のような対話型AIによる診断支援システムは、離島や地方の医療機関との連携により医師の負担が軽減するでしょう。現地で診療継続できる疾患と、より専門の病院を紹介するべき疾患の判断を的確に行うことで、診療の分業化が期待できます。

 

 

・救急医療現場の支援

 

緊急性の高い、救急医療現場でもAIが活用されています。それが、医療関係者用のコミュニケーションアプリ「Join」です。Joinは、LINEのようなコミュニケーションアプリのように医師間で簡単に情報共有することができます。PACS(医療用画像管理システム)と連携させて、CTスキャンした画像を院外の専門医に送り、適切な指示を仰ぐことも可能です。そのほかに、専門医が手術の様子をリアルタイム動画でチェックしたり、救急車の位置情報から到着時刻を予想して、手術の準備をすることもできる。

 

医師同士が連携することで、より専門な医師の知見を即座に取り入れることが可能になり、診療方針決定の際に医師へのしかかる心的負担軽減に繋がります。

 

 

AIを育てるのは技術者、進化させるのは医師

 

 

様々な現場で活用されているAI診療ですが、AIに専門知識を与えて学習するように育てるのは技術者であり、赤子同然のAIを進化させるのは現場の医師です。すでにAIの知識・正確性は人間を超えたと評価されていますが、まだまだ現場の医師にしかできない診療があるのも事実です。いかにAIが優れた診断結果を導き出したとしても、医師と患者の対面診療を省略すべきではないといわれています。

 

触診よる診断は、AI単体では行えません。ですが、近い将来にはloTセンサーや画像による解析などの機能を搭載したAI診療補助ロボットによって触診があたりまえになるかもしれません。それでも、経験を元にした医師による診断がAIに劣るとは断言できません。医療現場には医師にしかできないことがあります。たとえAI医療が進歩を遂げたとしても医師不在の地域があってはならないですが、それと同時にAI医療は確実に医師のサポートに大きく貢献するでしょう。

 

 

まとめ

 

医療の現場におけるAIの活用や導入は、人類の長寿や未病に大いに貢献します。今後ますます技術が発達することで、現時点では解決策のない病気に対しての対処方法なども発見されるかもしれません。また医療未成熟の発展途上国においても、遠隔治療などによって多くの命が救えるようになるかもしれません。

 

いずれにしてもAIの発展において、我々人類が未だ見たことのない未知の領域=いわば神の領域に足を踏み入れることになるかもしれません。

 

 

 

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