IoTを革新する「Amazon FreeRTOS」に迫る!

「Amazon FreeRTOS」に迫る

 

 

昨年11月末にラスベガスで開催された「AWS re:invent 2017」において発表された「Amazon FreeRTOS」が話題を集めています。イベントでの基調講演においてAmazonはIoTの分野で画期的な試みをいくつか発表しました。その中の一つに「Amazon FreeRTOS」があります。

 

これはAmazon Web Services(AWS)のサービスであり、コンピュータを搭載するIoTエッジデバイス向けの組み込みOSという位置づけで無償提供を始めたものです。組み込みシステム向けのオープンソースのリアルタイムOS「FreeRTOS」をカーネルに採用して、クラウドとの接続、セキュリティの確保、メンテナンス簡略化などの機能をライブラリで提供するというものです。既にWebから無償でダウンロードできるようになっています。

 

AWSのサービスとの連携では、「AWS IoT Core」に代表されるAWSのクラウドサービスに直接接続できる他、「AWS Greengrass」を組み込んだ高性能なIoTエッジデバイスと接続することもできるとのことです。

 

IoTエッジデバイスへの組み込みは、AWSが提供するソフトウェア「Amazon FreeRTOS Console」上で利用するライブラリなどを選んでコンフィギュレーションを行い、ダウンロードするだけで行える仕様となっています。

 

https://youtu.be/aeP0A67eNEg

 

 

「FreeRTOS」とは

 

その名の通り、フリーかつRTOS(=Realtime Operating System)のことで、組み込みシステム用のオープンソースのリアルタイムオペレーティングシステムのことです。 様々なマイコンに搭載されています。

 

今回話題になっている背景としては、このFreeRTOSの資産をReal Time EngineersからAmazonが買収してMITライセンスで無償公開するということもあります。MITライセンスでは、著作権及びMITライセンスの全文表示をすることで、改変・再配布・商用利用・有償提供など、自由に取り扱うことができるようになります。これは非常に画期的な試みであって、産業界に大きな話題を集めることになったわけです。

 

 

FreeRTOS カーネルベースである利点

 

 

マイクロコントローラー向けとして非常に人気の高いリアルタイムオペレーティングシステムのFreeRTOSカーネルをベースに設計されていることにより、FreeRTOSカーネル向けに開発された既存ツールの大規模なエコシステムを活用することができるようになります。

 

既存のデバイスで既に FreeRTOS カーネルを使用している場合でも、Amazon FreeRTOS を使用して追加ライブラリで提供される機能を活用することが可能になります。

 

・電力消費量の少ない接続デバイスのプログラミング、デプロイ、管理が簡単

・データやデバイス接続の保護

・クラウドやローカルエッジデバイスに接続

・幅広いハードウェアとテクノロジーエコシステム

 

 

ユースケースとして、産業界ではマイクロコントローラーベースのデバイスを利用して業務上不可欠なワークロードに関するデータを生成しています。産業用センサー、アクチュエーター、ポンプ、オートメーションのコンポーネントでは、低コストで、電力消費量が少なく、リアルタイムな操作が可能であることからマイクロコントローラーを利用しています。

 

例えば、石油掘削装置の単一のポンプをマイクロコントローラーで制御していると、障害が発生した場合は生産が完全に停止する可能性があります。Amazon FreeRTOS を使用すると、クラウドに直接接続することでシステムのパフォーマンスやストレスに関するデータを収集でき、AWS Greengrass を組み込めば重要なローカルでの操作をリアルタイムで実行して、そのような混乱の原因となる停止を防ぐことができます。

 

B2B ソリューションにおいては、B2Bの商用デバイスでは通常、低電力の必要性と低コストのためにマイクロコントローラーが使われています。例えば、セキュリティ機器メーカーでは、業務用のドアロックやセンサーシステムといったマイクロコントローラーベースのデバイスに接続機能を追加する傾向が強まっています。Amazon FreeRTOS を使用することで、こうした企業は設計や開発工程を簡素化し、新しいコネクテッド製品をより速くリリースできるようになります。

 

消費者向け製品では、アプライアンス、ウェアラブルテクノロジー、スマートライトのメーカーなどの企業では、幅広い製品やモデルにわたるマイクロコントローラーベースのデバイスの開発、提供、保守の標準化に Amazon FreeRTOS が役立ちます。Amazon FreeRTOS によって、性能やキャパシティーが異なる幅広い範囲のマイクロコントローラーハードウェアをサポートする単一のマイクロコントローラーオペレーティングシステムを実現できます。

 

企業は複数の製品ラインに関係する複雑なソフトウェア開発を管理する必要がなくなり、製品のイノベーションに重点を置くことができます。また、OTA 更新機能 (現在はベータ版) を使用して、既に実際に使われている消費者向け製品の機能を安全に更新することも可能になります。

 

 

 

 

まとめ

 

IoTが加速していく中で、巨人Amazonが仕掛けてきました。すでにIoTガジェットにおいても、「Amazon Alexa」と「Google Assistant」が話題になっており、スタートアップやベンチャーのみならず大手企業も参戦して両社との連携を図るサービスが続々と発表されています。

 

その中において、デバイスを制御するための組み込みOSの領域において、AmazonがAmazon FreeRTOS によって利用拡大を図ってきた背景には、今後ますますIoTの領域が加速し大きな市場になるであろうことを予見している動きだと言えるのでしょう。LGやサムスンなどのアジア系財閥も本格的に動き始めています。

 

エンジニアのみなさんも、IoTの領域においての案件も多くなっていると思われますが、こうした動きをいち早くキャッチアップし、最新の技術にチャレンジしていくことが重要なのかもしれません。

今後の動向にさらに注目が集まりますね。

 

 

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