デジタルツインとは

【注目バズワードシリーズ⑥】デジタルツイン

 

「デジタルツイン(Digital Twin)」という、ちょっと聞きなれないワードについて紹介します。

 

 

■デジタルツインとは

 

「現実世界とうりふたつのデジタルな双子の兄弟」ということで、工場や製品などに関わる物理世界の出来事を、そっくりそのままデジタル上にリアルタイムに再現するという意味です。

実際に製造する工場や出荷する製品を、システム上にあたかも双子のように現実世界を模したシミュレーション空間を構築し、現実の工場の制御と管理を容易にする手法です。

次世代のものづくりにおける重要なコンセプトであり、インダストリアル4.0を支える重要な技術とされています

 

※インダストリー4.0とは

インダストリー4.0は、ドイツ政府が主導し、産官学共同で進めている国家プロジェクトです。人類史上4回目の産業革命、つまり「第4次産業革命」を起こす取り組みとしており、そのコンセプトは「スマートファクトリー」(考える工場)です。

 

コンピ ュータ上で実際の動きと同じもの再現できるようになることによって、製品設計や製造ラインの一部を変更しようというとき、実際に変更する前に現実に近いシミュレーションが可能となります。

コンピュータ上で設計・検討などが行えるということは、例えば製品開発において、その複数の開発プロセスの工程を同時並行で進め、情報共有や共同作業を行なうことで、開発期間の短縮やコストの削減を図るいわゆるコンカレント・エンジニアリング(量産までの開発プロセスをできるだけ短期化する開発手法)に貢献することになります。

 

 

■遠隔地や極限状況での作業も可能に

 

デジタルツインの技術をベースに、AR(Augmented Reality=拡張現実)やMR(Mixed Reality=複合現実)を取り入れたシミュレーション技術により、遠隔地や極限状況下でのシミュレートが容易に実現できる状況になりました。

部品、機器や設備のデータ収集は、例えば、レーザーや3Dスキャナー、ビジョンシステム、測量器といったセンサーを通じて行われます。

ウェアラブル端末により、作業員の動作をデータで把握し、遠隔地から改善指示を出すことも可能になりました。

実際のデータだけではありません。

仮想センサーにより、工場では再現が難しい、あるいは高コストな極寒や水中、事故などの環境における作動状況のシミュレーションデータも収集できます。

 

 

 

■デジタルツインの4つの特徴

 

デジタルツインの大きな特徴は4つあります

 

・モデルを常にアップデート出来る

一度試したシミュレーションをモデルに結果として覚えさせ、最新の状態でまたシミュレーションを行うことが出来ます。その為、きわめて精度の高いモデルを作成出来ます。

 

・製造管理を高度化

デジタル上で現実と瓜二つのモデルを作成することにより、製造管理を高度化します。

 

・仮想世界であらゆる想定が可能

現実では試せない過酷なテストなどをシミュレーションすることが出来るため、あらゆる事柄を想定、予測することが可能です。

 

・高い付加価値の提供

製品の製造・保守に限らず、ライフサイクル管理を通じて高い付加価値を提供するビジネスモデルが可能です。

 

 

■製造におけるデータサイエンスの3つの領域

 

製造におけるデータサイエンスには3つの領域が存在します。この領域をそれぞれ、ハイブリッド的に用いることで相互にデータをチェックし、より堅牢なモデルを実現することが出来ます。

 

・データドリブン・テクニック

売上データやマーケティングデータ、WEB解析データなど、データに基づいて判断・行動します。

 

・物理・エンジニアリングに基づいたモデル

物理法則、化学反応などの一般的な法則に基づいた現象を理解することが出来ます。

 

・知識と経験

感覚で正しいと判断出来る知識や、課題を解決するために必要な経験のことです。

 

デジタルツインでは特に、一番上のデータドリブン・テクニックをモデルにインプットさせ、様々なことを試して問題などの発生を予測します。

 

 

■デジタルツインの取り組み例

 

 

シーメンスPLM社

シーメンスPLMのデジタルツインは、取りつけられたセンサーなどによって、生産整備の情報をリアルにデジタル化し、状況に応じた検証を高度に行うものです。イタリアの自動車メーカである、Maserati社の工場に採用されています。

 

ゼネラル・エレクトリック社

航空機用ジェットエンジンの製造・保守にデジタルツインを導入し、デジタル上で飛行データ、エンジンデータ、粉塵データなどを元に検証します。また、風力発電所から送られてくるデータをもとに、デジタル上に構築された仮想発電所でタービンを個別にカスタマイズし、最適な状態を維持しています。

 

 

■デジタルツイン市場は2023年に156億6000万ドルに

 

昨年、シーメンスがデジタルツインに対しての投資額は10年間で1兆円超にという報道が出ましたが、市場は大いに注目しているようで、デジタルツイン市場は2023年に156億6000万ドルにまで成長するとの調査レポートも出ているほどです。

 

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